●●● 設 立 趣 旨 書 ●●●


 日本は、古来より近隣との関係を大切にしてきました。郷土への愛着心も、一倍ある民族ではないかとも思われます。

 まちづくり活動は、地域でのこのような相互扶助の精神や生まれ育った郷土への愛着が作り上げてきたといっても過言ではないと思います。ある意味においてまちづくり活動の主体となっていた町内会や消防団、自警団、商店街等も、基本的にはボランティアにたよる部分が多いと考えられ、「自分たちの地域を安全ですごしやすくしたい。」「もっと地元を知ってもらいたい。」「我が街に来てもらいたい。」という考えからの行動であったのではないかと思われます。

 しかしながら、近年の街における業務都市化やフランチャイズ店舗の展開、都市部でのマンションの増加により地域コミュニケーション組織への参加意識が希薄になってきたと感じられるようになってまいりました。その一方で、本来育ってきた街を出て郊外に住む地元民も増え、地域活動に参加できる人材も減少の傾向にあります。その結果として、このようなボランティアにたよるだけのまちづくり体制も限界がきているのではないでしょうか。 

 その一方で、ここ数年の中央集権から地方分権への政治的な傾向があります。中心市街地活性化法の成立により、各自治体において中心市街地活性化基本計画が策定され、市町村のイニシアチブによるまちづくりが求められています。しかしながら、行政での活動にも限界があり、できるだけ民間の活力を生かしたまちづくりを進めていこうという考え方も広まってまいりました。また、民間が主体となったまちづくり活動を期待する市民は増加傾向にあります。

 特定非営利活動促進法(NPO法)の成立により、市民活動そのものが認知される機会を与えられたのではないでしょうか。誰しも自分の故郷が衰退していく姿を見たくはないものです。

 今後、都市間競争に負けない千葉にするためにも、千葉そのもののイメージアップや地域としてのポテンシャルの上昇が必要不可欠と思われます。国や地方自治体などの行政にたよる行政主導型のまちづくりから、「産」「官」「学」「民」が一体となったまちづくりへの転換期と考えられる現在、まちづくり先進国である欧米なみの積極的であり且つ効率的なまちづくり活動をするためには、民間が主体の独立した活動組織の発足が必要不可欠である考えました。

 よってここにわれわれ有志は、「特定非営利活動法人まちづくり千葉」を設立し、千葉におけるまちづくり活動に意欲的な人材を募り、非営利活動団体としてまちづくり活動を通じて社会に貢献しようとするものです。 

 われわれの活動の目標は、千葉のイメージアップ活動の推進、文化や芸術又はスポーツなどの振興、地域コミュニティ活性化や国際化の協力、次世代を担うまちづくり人材の育成、地域ホスピタリティの向上と地域経済の更なる発展、人にやさしく地球環境にもやさしい街の形成、安全で便利なまちづくりの創造など多岐にわたって広く公益に寄与するものと考えております。


 平成14年1月16日

特定非営利活動法人 まちづくり千葉 

設立発起人代表 樫 浦 敏 彰